内臓脂肪を減らすことを目的とした新しい医薬品「アライ」が、2023年4月より日本で発売されました。アライの有効成分であるオルリスタットは、脂肪分解酵素リパーゼの活性を阻害することにより、食べた脂肪の約25%を便として排出します。これにより、本来吸収される脂肪がカロリーとして体内に取り込まれず、内臓脂肪の減少が期待できます。
アライは市販薬であるため、薬局やドラッグストアで購入することができますが、要指導医薬品に指定されているため、無条件での購入はできません。購入にあたっては、薬剤師との対面面談が必須であり、18歳以上、腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上、肥満症ではないこと、生活習慣の改善に取り組んでいることなどの条件を満たす必要があります。
肥満と肥満症の違い
アライは肥満治療薬であり、肥満症治療薬であるウゴービとは区別されます。日本においては、BMI25以上の人を肥満と定義しますが、肥満症は、BMI25以上に加えて、糖尿病、高血圧、痛風などの健康障害を伴う場合を指します。アライは肥満症と診断された人には処方されません。肥満症の方はアライではなく、ウゴービの使用を検討すべきでしょう。
アライの効果と生活習慣改善の重要性
アライを飲むだけで痩せることは難しいと考えられます。しかし、アライの購入条件として生活習慣の改善が求められているため、薬の使用と併せて食事や運動などの生活習慣を見直すことで、体重減少が期待できます。アライは、健康的な生活習慣を身につけるためのきっかけとして活用することができるでしょう。
アライ使用時の副作用と対策
アライを使用する際には、油漏れや便漏れなどの副作用に注意が必要です。おならをした際に便が漏れたり、気づかないうちに油が肛門から漏れたりすることがあり、強い悪臭を伴う場合もあります。これらの症状は、海外でアライがあまり人気にならなかった大きな理由の一つです。
対策としては、脂肪分の多い食事を控えることが最も効果的ですが、おむつ、生理用ナプキン、尿漏れパッドなどを活用することも有効です。これらの症状は、服用開始から2週間ほどが最も起こりやすく、次第に落ち着いていくことが多いようです。
アライの価格と他のダイエット薬
現在公表されているアライの価格は、18カプセル(6日分)が2,530円、90カプセル(30日分)が8,800円です。
アライ以外のダイエット薬としては、ジャディアンスとウゴービが知られています。ジャディアンスは、糖の吸収を阻害し尿とともに体外に排出する薬で、糖尿病の治療薬としても使用されています。ウゴービは、GLP-1受容体作動薬で、食欲自体を減少させる効果があります。同じ有効成分の薬としてリベルサスやオゼンピックがあり、自由診療で比較的安価に購入できるため、GLP-1ダイエットが人気となっています。
まとめ
アライは、内臓脂肪を減らすことを目的とした新しい医薬品ですが、薬を飲むだけでは痩せることは難しいでしょう。便漏れなどの副作用も考えられるため、発売後に口コミなどで広がることで、爆発的な人気になる可能性は低いかもしれません。
しかし、アライの購入をきっかけとして、自身の生活習慣を見直すことは、健康面でとても良いことです。薬で痩せることは可能でも、一生それを続けるわけにはいきません。食生活や運動習慣などを改善するためのツールとして、アライを活用することが賢明だと言えるでしょう。副作用や注意点を十分に理解した上で、自身に合ったダイエット方法を見つけることが大切です。
ポイント
ミネラルの中でもマグネシウムや亜鉛はエネルギー代謝に直接関与しており、これらのミネラルが充分に摂取されている場合、体の基礎代謝率を高めることができます。
基礎代謝率が高いと、体はより多くのカロリーを消費し、脂肪燃焼が促進されるため、ダイエット効果を向上させます。